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美味しく飲むほど効果的?
石川先生、コーヒーと
健康について教えてください。

 

「コーヒーと健康」について研究されている
内科医師
石川 俊次 先生

善玉コレステロールを増やし、糖尿病を減らす。

Image11Image10— コーヒーが善玉コレステロールを増やすと言うのは、ほぼ定説ということですね。

石川先生:はい、私の専門は内科で、脂質代謝や動脈硬化の関係を研究していました。
20余年も前、動脈硬化学会の嗜好品と動脈硬化についてのワークショップで、看護師や学生さんたちにコーヒーを飲んでいただく実験を行い、その成果として、善玉コレステロール(HDL)が増える事を初めて発表しました。

— 20年以上前というと当時としては画期的な発見だったわけですね。

石川先生:そうです。以前はコーヒーが心臓に悪いと言う研究もありました。コーヒー愛飲者にはタバコを吸う人が多く、タバコの影響がでてコーヒーが悪者扱いにされていたのです。その後、分析の方法が確立されると、コーヒーはむしろ冠動脈の疾患を防ぐとか、最近ではタバコを吸う人の脳梗塞を減らすという論文などたくさんでてきました。

— 濡れ衣だったのですね、DNAの見直しで無罪になったという話を思い出します。

石川先生:さらに動脈硬化の進展に関係する要因(危険因子)に対するコーヒーの影響が研究されてきており、血圧や脂質や糖尿病などについての影響が報告されています。
動脈硬化の危険因子にコーヒーが予防的な影響を及ぼすのであれば、最終的に動脈硬化を抑制するということです。例えば糖尿病では、コーヒーが2型糖尿病の発症を減らすという研究もたくさん出てきています。

— 先生はコーヒー協会の科学研究のお手伝いをされていらして、コーヒーと健康に関する研究に詳しいとお聞きしていますが、最近はその研究の輪が広がっているそうですね。

石川先生:確かに。コーヒー協会では毎年コーヒーと健康に関する研究への助成金をだしていますが、日本中から応募がありますが、医者だけではありません。栄養学、農学、薬学、体育学の研究者などそれぞれさまざまな分野でコーヒーと健康への興味が深まっているようです。

— ストレス社会などという影響もあるのでしょうか。

石川先生:ストレス緩和については特に香りとの関係で、心理学や精神科の先生が研究されていますね。コーヒーで脳波や脳血流がどう変化するかとかね。

— コーヒーを飲むとストレスを解消する脳内物質がでるという説もあるとか。

石川先生:脳内物質が関係するのでしょうが、具体的にどこにどう影響しているか、これから研究が進むと思います。

 

エメラルドマウンテンの香り成分は?

Image5 — コーヒーの香りの成分もそうですか。

石川先生:そうです。あのフワーッと上がる香りのガスを分析すると、ガスクロマトグラフィといいますが、何百種類の成分があり、それぞれ働きは良く分かっておらず、これからの研究です。
エメラルドマウンテンが香るとどんな気持ちになるかとか、そんな研究がもうどこかでされているかもしれませんが。

— お好きな方は、エメラルドマウンテンの香りは幸せな気分にしてくれると仰います。

石川先生:なるほど。一般的にはむしろ眼が覚める、活性化する、計算能力が高まるなど、いろいろな作用があります。それだけ香りの成分がImage8たくさんあるからでしょう。

— 香りもそうですが、味わいも大切ですね。

石川先生:そう、香りでも効くし、味わいも大きく効くのでしょう。
エメラルドマウンテンは少し酸味があって清清しく、とても美味しいですね。

— 美味しいと感じてゆっくりと楽しむ、その気持ちでまず効きそうに感じます。

石川先生:そうです。コーヒーは嗜好品ですから、好きで楽しんで飲み、しかも身体にも良いこともあると思えばますます美味しく飲めますよね。朝飲んで、夕方飲んで、ちょっと糖尿病になりにくくなっているかなと思うと、余計に健康にもいいかもしれません。

— よく1日何杯、週に何回飲むと効くと書かれていたりしますが。

石川先生:健康のために、1日何杯以上飲みなさいというのは個人差もあるし無理な話だと思います。薬みたいに飲むものではありません。コーヒーを飲むために他の飲み物を止めるとなったらそれも苦痛だし、良い結果もでないかもしれません。

 

脂肪を燃やすコーヒー、30分前が効果的。

Image4Image3— 楽しく飲んでさらに健康にも良いと思うと、これからさらに一段と美味しく飲めます。他にどんな耳寄り情報がありますか。

石川先生:肝臓がんを減らすというのは先ほど出ましたが、脂肪肝を減らす、ガンマGTPを下げることもまず確実です。それから太るのを防ぐ、長い間コーヒーを飲んでいる人は体重の増加が少ないという報告があります。

— それはかなり嬉しいお話ですが。

石川先生:体重はいろいろな要素で決まりますが、コーヒー飲用でカフェインなどの成分が体重増加抑制に働くはずです。これはアメリカのハーバード大学の疫学研究で、多数の看護師さんを長期間観察した結果として発表されています。

— それ以上に食べて動かなかったりすれば、その限りではない、ということですね。

石川先生:慈恵医大の先生方の研究で、運動時のエネルギー代謝で脂肪がよく燃えるようになるという発表もあります。ラットを使った実験では、コーヒーを飲ませて運動をさせた群はそうでない群に較べて脂肪組織が少なくなるということです。

— やはり運動がポイントですね。

石川先生:運動する前にコーヒーを飲むと脂肪が燃えるというのは、人間の研究でもあります。呼気分析をして吸った酸素とでてくる炭酸ガスの比率で、脂肪と糖のどちらがよく燃えているかが分かります。脂肪が燃えやすくなることが以前から分かっていました。

— スポーツの後のコーヒーは格別ですが、前に飲むともっといいのですね。

石川先生:運動の30分前くらいでもいいようですね。組織の代謝が盛んになって活発になり、エネルギー消費が増えます。自律神経系ではカフェインなどにより交感神経が刺激されます。今増えているといわれる低体温の女の人にもいいかもしれませんね。

— 活発になって脂肪を燃やしたり、リラックス効果で気分を落ち着かせたり様々ですね。

石川先生:コーヒーの影響が変な風に出て眠れなくなることもあるかもしれません。それが問題になることはありますが、反対に深夜に運転しなければいけない人にとっては有難い効果です。目的によっても個人によっても、コーヒーの働きは違ってきます。

 

記憶力と計算力アップにコーヒーを。

Image1石川先生:東海大の先生による、血液の血小板の機能亢進を抑えて血液が固まるのを抑制する作用がコーヒーにある、という報告もあります。

— ドロドロ血液ではなく、さらさら血液にですね。

石川先生:コーヒーを飲んでいるマウスは血小板が血管壁につきにくくなります。血管壁に傷がつくと血小板がくっついてやがて詰まるようになりますが、詰まると心臓だと心筋梗塞、脳だと脳梗塞ということになります。それは人間にも応用できてコーヒーが血栓性の疾患を予防するかもしれないということになります。
最近のヨーロッパの雑誌にも、コーヒーを多く飲んでいる人で脳梗塞が少なかったという報告がでています。

— コーヒーの歴史が長いヨーロッパでは、そういう研究も進んでいますか。

Image2石川先生:日本の研究もかなりハイレベルで、特に最近は急速にすすんでいると思います。
たとえば記憶。カフェイン入りのコーヒーを飲んだ場合、カフェインレスに較べて記憶力が高まったという研究はたくさんあります。
計算能力も高まるようで、コーヒーを飲んだあと学生に計算をやらせると、間違えが減るのです。
ピロリ菌の増殖を抑えるというのもあります。

— お聞きすればする程、コーヒーというのは不思議な存在というか奥が深いですね。

石川先生:まだ新しいコーヒーの成分を研究している先生もいらっしゃいます。コーヒー成分は熱を加えると変化したり、分解したり、複雑です。生豆の成分と焙煎したコーヒー豆の成分は全然違います。温度や時間など焙煎の方法も大きく影響します。抽出したコーヒーをフィルターにかけるかかけないかでも、コーヒーに含まれる成分はかなり違います

— そういう複雑な条件の中で研究の結果を実証するというのも、難しそうですが。

石川先生:難しいですね。コーヒーの健康に及ぼす効果も、飲む人によって違うかもしれないし、コーヒーの種類によっても違うかもしれない。なんでも100%正しいというのは難しいでしょうが、いろいろな条件で研究し圧倒的多数がその研究を支持すれば、おそらく間違いないだろうということになりますね。
今日申し上げた効果は、そうして多数から支持されている研究なのです。

— コーヒーが大好きで良かった、得したな、という気分で嬉しいです。

石川先生:そう、目くじらを立てて何杯飲まなくてはなんて言わないことです。まず楽しむということが身体にいいし、免疫機能にもいいのではありませんか。

— 今日は良い話をたくさんお聞かせいただきまして、どうもありがとうございました。

石川先生:今日申し上げたかったのは、多くの方が大変真面目に研究に取り組んでいるということ。そしてコーヒーが多くの分野で健康に良い影響があるという根拠があるということです。だから安心して楽しんで飲んでいただければと思います。

石川 俊次 Toshitsugu Ishikawa

内科医師。医学博士。1969年、慶應義塾大学医学部卒業後、同大学医学部助手、のち東京慈恵会医科大学附属青戸病院内科講師、1988年助教授。その後、1991年防衛医科大学校第1内科講師、1997〜1999年同大学助教授。専門は脂質代謝、動脈硬化。女子栄養大学大学院客員教授。著書に「よくわかるコレステロール・中性脂肪を下げる基本の食事」(主婦の友社 )など

この記事は、2009年〜2011年の間に公開された記事のバックナンバーです。表示されているゲストの方の所属や肩書きは、掲載当時のものです。また、コロンビア産コーヒーに対するエメラルドマウンテンの割合も、その時の収穫量などにより、1%と表示されていることがあります。