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こーひい問屋 アラビカコーヒー 三島店 高村さん

こーひい問屋 アラビカコーヒー三島店

アラビカコーヒー代表取締役 高村さん

今月は静岡県三島市の「アラビカコーヒー 三島店」さんをご訪問。株式会社アラビカコーヒーはGoodInside認証コーヒーの日本推進会議メンバーで、産地を守りながら美味しいコーヒーを販売する活動に貢献されています。
最近直営店としてリニューアルされたばかりの店内で、創業者の高村社長にお話を伺いました。

「良いものを作って、良い値段で取引し、みんなが幸せになる」
良い循環を生み出すコーヒー

▲東京から新幹線で1時間ほど。大企業の工場や研究所が多い三島駅の南口から徒歩3分。

▲東京から新幹線で1時間ほど。大企業の工場や研究所が多い三島駅の南口から徒歩3分。

- アラビカコーヒーさんでは、フェアトレードや有機栽培、認証を受けたコーヒーなど、特別なコーヒーの取り扱いが豊富なのですね。

はい、最初はフェアトレードから始まりました。やはり美味しいコーヒーを提供し続けるためには、産地の人と利益を分配し、共存共栄して行くことが非常に大切なのです。

-その思いに行き着かれたのには、何かきっかけがあったのでしょうか。

そうですね、外国の企業に買い叩かれ、非常に貧しい中でコーヒーを作っている農家も多いです。
昔からそれは良くないことだと思っていました。

▲フェアトレードマークがついた商品の売り上げの一部は、子供の教育や生産国の生活改善等に充てられる

▲フェアトレードマークがついた商品の売り上げの一部は、子供の教育や生産国の生活改善等に充てられる

きっかけと言えば、十数年前に産地を回っていた際、ペルーのキジャバンバ地区にあるコクラという組合が、農家をまとめてオーガニックコーヒーを作っているのを見せてもらったことでしょうか。このコーヒーはフェアトレードで取引され、得られた利益は現地の教育や生活改善に使われます。

そこで農家の皆さんが非常に生き生きと働いておられるのを目の当たりにしまして、やはり良いものを作れば、その努力が報われる仕組みは大切だと思いました。 私の方も、良いコーヒーを仕入れれば、私のお客様が喜んで下さいます。

-お互いに良い循環が生まれるのですね。

▲Good Inside(写真上)、レインフォレスト・アライアンス(写真下)ともに国際的な認証規格。自然環境や労働環境を守るための厳しい枠組みを遵守しなければ認定されない。これらの認証マークのついた商品を販売することは、責任ある企業の証でもある。

▲グッド・インサイド (赤いロゴ)、レインフォレスト・アライアンス(緑のロゴ)ともに国際的な認証規格。自然環境や労働環境を守るための厳しい枠組みを遵守しなければ認定されない。これらの認証マークのついた商品を販売することは、責任ある企業の証でもある。

認証を取った農園の意識の高さ。
安心で美味しいコーヒーを求めれば、自然とここにたどり着く。

▲常時45種類の新鮮な豆が揃う店内。手頃な価格の豆も豊富に取り揃えている。

▲常時45種類の新鮮な豆が揃う店内。手頃な価格の豆も豊富に取り揃えている。

- グッド・インサイドやレインフォレスト・アライアンスなどの、 世界的な基準に準じた「認証コーヒー」の取り扱いについては、どのような背景があったのでしょうか。

グッド・インサイドもレインフォレストも、環境に配慮した農園でないと認証されません。商品の安心安全や品質にこだわると、そういう取り組みをしている農園のコーヒーに自然と行き着くように思います。

土づくりや農園の管理、肥料は有機か化学か、他の農園とコーヒーを混ぜていないかどうかなど、自分でほぼすべての産地に出向いて見て周りました。

▲お店に行けば、どれでも好きなコーヒーをその場でドリップしてもらえる

▲お店に行けば、どれでも好きなコーヒーをその場でドリップしてもらえる

認証コーヒーに取り組んでいる農園は意識が高く、情熱とこだわりをもってコーヒーを作っています。
やはりそうでないと、本当に美味しいコーヒーは生まれてこないのではないでしょうか。

- 生産地の方にもきちんと利益が配分される適正価格ということについて、お客様の反応はいかがですか。

コーヒーにそれほどこだわりが無く、お店の棚に並んだ中から一番安いものを買うという方もおられます。それはそれで良いと思います。ただ、私どもの店のお客様は「好みに合った本当に美味しいものを」という方が多いです。だから私の方も、そういったお客様に喜んでいただけるものを探しています。

当店では、焙煎したての豆が常時45種類ほど店頭に並んでいまして、お店に来られた方にはその場でドリップして召し上がっていただけます。いつもお湯を用意していますので、どれでも試したいコーヒーを仰っていただければ、2〜3分でお出しできます。

- それはすごい!お店に行くのが楽しくなりますね。

2種類に煎り分けて個性を楽しむ
エメラルドマウンテン

▲コーヒーは毎朝、本社にある焙煎工場で焙煎される。

▲コーヒーは毎朝、本社にある焙煎工場で焙煎される。

- エメラルドマウンテンは、特定の農園・特定のエリアという区切りではなく「サイズが大きくFNCの鑑定士が選んだ特上豆」というコーヒーなのですが、高村さんの評価はいかがですか。

エメラルドマウンテンは、お客様に人気があるので、登場した頃からずっと扱っている豆です。良い豆なので当然高価。美味しくないと困りますね(笑)

コロンビアの、その年に出来た豆の良いところだけを集めているわけですが、農産物なので当然、年によって味の違いはあります。しかし総じて安定的に美味しい豆で、非常に信頼が置けます。

味の特徴はローストによって変わります。そのためミディアムローストとシティローストの2種類を用意しています。1つの豆を2種類に煎り分けてお店に出しているのは、今のところエメラルドマウンテンだけです。

- それは面白いですね。どちらの煎り方が人気なのですか。

ミディアムローストとシティローストで4:6くらいですかね。品質の良いコーヒーには酸味があるので、それを楽しみたいという浅煎り派に対し、酸味の少ない深煎りで、甘みと、後味のさっぱりとしたコクを楽しみたいという方も多いです。

コーヒー生産への意識の高さや知識。
コロンビアは国全体でまとまっています。

コロンビアは、他国に先駆け、また全国一丸となって環境保護や持続可能なコーヒー生産に取り組んできた

▲コロンビアは、全国一丸となって環境保護や持続可能なコーヒー生産に取り組んでいる

- コロンビアにはコロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)があり、サスティナビリティやフェアトレードが流行るずっと前から、持続可能性のあるコーヒー生産に取り組んでいますね。

コロンビアは一番まとまっていますよね。 コーヒー生産に向いている土地が多く二毛作が可能で「良いコーヒーを沢山作り、品質を上げ、価格管理をする」ということを国を挙げて進めてきたんですね。本当に、最先端を行っていると思います。

やはり環境を守ること、人間らしく働くこと、適正な価格で取引すること等、指導が行き届かなければ、農家の皆さんが一丸となって進めることは難しいでしょう。ブラジルはとても広く、コーヒーの農協も地域ごとに分かれていますので、場所によってこのような知識の有る無しに差があるようです。

アフリカはさらに難しいと思います。本来素晴らしいコーヒーを作る土壌があるにも関わらず、農園指導、物流、様々な援助が届きにくい現実があります。従ってやはり、農園ごとに素晴らしいコーヒーとそうでないもの、バラつきがありますね。

- 高村さんが今一番気になる、行ってみたい生産地はどこでしょうか。

アフリカです。今どうなっているか非常に気になります。良い豆を安定的に供給してもらうためには、指導が必要なのです。現状を見てみたいというのと、やはりコーヒーの原産地と言うか、原点ですので。アフリカだけと言わず、健康が続く限り時間の許す限り、産地を訪問したいです。

-コーヒーと、その産地の皆さんのことを愛していらっしゃるのですね。

最近良い豆が沢山入ってきて、そういう時は本当に嬉しいです(笑)
私は、とても楽しいお仕事をさせていただいています。

こーひい問屋 アラビカコーヒー三島店

エメラルドマウンテン SHOP DATA

こーひい問屋 アラビカコーヒー三島店

住所〒411-0035 静岡県三島市大宮町3-16-1
営業時間AM10:00〜PM7:00
定休日第2・第4月曜日
電話番号055-976-4649
FAX番号055-976-1798
最寄り駅JR三島駅 南口より徒歩3分
駐車場有 4台
公式サイトhttp://www.arabicacoffee.co.jp