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株式会社フレッシュロースター珈琲問屋 取締役 佐藤さん

20160520

株式会社フレッシュロースター 珈琲問屋 横浜本店

取締役 佐藤 敦史さん

常時100種類以上の生豆を在庫し、注文を受けたその場で焙煎してくれることで有名な珈琲問屋さん。この連載の第一回では横浜西店にお邪魔しましたが、今回はリニューアルされたばかりの横浜本店で、取締役の佐藤さんにお話しを伺いました。ブラジルサッカー留学に始まった佐藤さんのコーヒー人生は、聞いただけでもワクワクする内容。取材の時間もあっという間に過ぎてしまいました。

「自分たちは何屋なのか」
原点を見つめ直した本店のリニューアル

珈琲問屋横浜本店 喫茶スペースではサイフォンコーヒーが楽しめる

▲ハンドドリップとサイフォンコーヒーは、注文を受けてから一杯ずつ淹れる。豆を購入すると喫茶メニューが100円引きになるので、焼き上がりを待つ間のお楽しみでもある。

- 明るい店内で、横浜西店に比べると喫茶スペースも広いですね。サイフォンが並んだカウンターが、本格的な雰囲気です。

商店街なので、ちょっと一息というか、ゆっくり出来るスペースを増やしました。コーヒー一杯にしても、気軽なドリップコーヒーと、一杯ずつ手で淹れるハンドドリップ、昔なつかしのサイフォンコーヒーと、3種類の抽出方法が選べます。
そのせいか、ご自宅用の豆の販売に加え、リニューアル後は喫茶のご利用がぐっと増えています。

- 珈琲問屋さんは、取扱い商品や豆の種類が非常に幅広いですが、喫茶でも、飲み方が数種類選べるわけですね!

「コーヒーが好き」という方にも様々なタイプがありますが、皆さんにそれぞれ満足して頂きたくて、私たちは、コーヒーにまつわるすべてを網羅しようとしています。

今回の本店リニューアルでは「自分たちは何屋なのか」ということを本気で見つめ直しました。そうしたらやっぱり、常時100種類以上あるコーヒー豆の陳列を大切にしようというところに帰って来ました。

珈琲問屋横浜本店 店内

 

 

同じ100種類の生豆を安定供給するのは
けっこう難しいことなんです

珈琲問屋では常に定番100種類の生豆を在庫する

▲定番100種類のコーヒー生豆が壁面にズラリ。さらに焙煎具合や挽き具合を選べるので、組み合わせは無限になる。

- 生豆を常時100種類以上在庫というお店はあまり無いように思うのですが、仕入れなどはどうされているのですか?

仕入れは、主に私が担当しています。100種類のラインナップは常時取扱品として決まっていて「いつでも珈琲問屋に来れば絶対にそれがある」状態を作るのが私共の役目です。本来コーヒーは農産物なので、天候の問題などもあって、絶対に欠品しないというのはけっこう難しいことなんです。ありとあらゆる手段を考え、常にアンテナを張り巡らす必要があります。

たとえば最近ではブルーマウンテン、ちょっと前だとエチオピアのモカが入手困難な状態でしたが、常に珈琲問屋では切らすことなくお客様にお届けできています。

- 100種類、常に揃っていないとダメでしょうか(笑)

「自分の好きなコーヒーが、いつもの店に無い」というのは、買いたい銘柄が決まっているお客様にとっては、けっこう困ることだと思うのです。欠品を出して、お客様にご迷惑をかけたくないですね。

なにが出るかな?お楽しみコーヒー4種セット

▲何が入っているかお楽しみの、4種のコーヒーセット(期間限定品)。必ず1種類は特別なコーヒーが入っていてかなりお買い得。

とはいえ、コーヒーの銘柄で浮気をしないタイプのお客様にも、いろんなコーヒーを試して頂く機会や、楽しんで頂ける企画も用意しています。それとは別で、毎月3〜4種類は定番以外のコーヒーもご紹介しています。

- こちらの、何が出るか分からない4種セットというのは、面白いですね。定番100種以外の月替わりのおすすめコーヒーのほうはどういう基準でセレクトされるのでしょう?

月替わりコーヒーの選定は、まず生豆の状態をチェックします。その後はとにかくカッピングをして、普段扱わない国のコーヒーや季節にあったもの、その時々に良いコーヒー豆を仕入れます。年に3〜4回は生産国を訪問して、色々探しています。

 

 

サッカーのために渡ったブラジル。
珈琲問屋創業者の父親が出した、留学の条件とは

shop16_photo05 佐藤さんは、エメラルドマウンテンの産地、コロンビアにも行かれたことはありますか?

はい、コロンビアには、半年ほどおりました。 私は4年ほどブラジル、その後1年グァテマラ、1年アメリカ、半年コロンビアに住んだことがあります。その間に周辺のコーヒーの産地も、25カ国くらい回ったでしょうか。

- 何と!まさにコーヒー修行の旅ですね。

いえ、実は18歳の時にブラジルへ渡った本当の目的は、コーヒー修行ではなくサッカー留学だったのです。ただし、当時から珈琲問屋を営んでいた父が出した留学の条件は、コーヒーを学ぶことでした。

それで現地にいる間、ブラジル、グァテマラのコーヒー鑑定士、Qグレーダー、そしてコロンビアマイルドコーヒースペシャリストなど、様々な資格も取得しました。サッカーも本気でやっていたので、22、3歳のときにはJリーグのスカウトの方も来て下さいました。でもそこで「今から選手としてJリーグに入るなら、ちょっと遅いかな」というコメントをいただきました。

考えてみると、確かにそうなんです。しかしコーヒー業界で言えば、この年齢でポルトガル語、スペイン語、英語が分かり、コーヒーの農園や農協に詳しいという日本人は少なく、そこには大きなアドバンテージがあることに気がつきました。

- やっぱりお父様はすごかったですね。では、今のようにコーヒーを好きになったきっかけは 何だったのでしょう。

▲写真はコロンビアのコーヒー売買所。欠点豆の割合や豆のサイズで、買い取り価格が決まる

▲写真はコロンビアのコーヒー売買所。欠点豆の割合や豆のサイズで、買い取り価格が決まる

初めてブラジルへ渡った時には、コーヒーの良さをそれほど理解していませんでしたが、私をコーヒー好きにしてくれたのは、温かい産地の人々です。「言葉の分からない日本人がいる」というと、町中から人が集まって来るほどでした。

グアテマラでは農園で働いたり、ブラジルの農協で収穫したコーヒーの買い取り価格を決める仕事(クラシフィカドール)もしましたが、農家の人々はとてもシンプルで素朴で、そういう暮らしにも惹かれました。

- 買い取り価格を決める仕事ですか。日本人にコーヒーが分かるのか、なんて言われなかったですか?

とんでもないです、むしろ歓迎されていたような・・・。そういう気質を持った人々のおかげで、私もコーヒーが好きになっていきました。

- お客様扱いではなく、産地の人々と本当に一緒になって働いていたのですね。

最近は日本でも品質、品質と言われがちで、品評会で賞をとったコーヒーばかりが売れて行くような風潮もありますが、最高の賞をとった農園のコーヒーにも表作と裏作がありますし、樹齢が高くなれば、樹が弱ったりして味が変わっていきます。 品質だけを考えるなら、その時々で受賞コーヒーだけを買う方が良いのかもしれません。でも私は、あえて同じ農園のコーヒーを6年間買い続けたりしています。気兼ねなく飲めるコーヒーを仕入れて喜んで下さるお客様も多いですし、生産国では農家の方に、継続的に安心してコーヒーを作っていただきたいんです。もちろん、高級なコーヒーを探されているお客様のためにも、求められるものをしっかりとお届けできるよう、努めています。

- 日本のお客様も、生産国の農家の皆さんも、双方にとって継続可能で安心できる状態でないと、売ることも、買うことも、生産することも、長続きさせるのが難しくなるんですね。

コロンビア、アンティオキアでのコーヒー品評会

▲品評会で評価されることは、農家にとって大きなチャンスでもある。今年2月に、コロンビアのアンティオキアで開催されたコーヒー品評会では、佐藤さんは日本人として初めてジャッジに参加した。受賞したシーズン以外のコーヒーも美味しくいただくことが、農家の安定した生産力につながる。

 

 

南米のなかでも、几帳面でまじめな人が多いコロンビア。
どこか日本人に似ていて、信頼感があります。

珈琲問屋横浜本店のエメラルドマウンテン(生豆)

▲エメラルドマウンテンも生豆で常時在庫

- 沢山のコーヒー生産国を回られて来たということでお伺いしたいのですが、コロンビアの印象や、ほかのコーヒー産地との違いは何かありますか?

そうですね、中南米の人々は、おおらかで陽気というイメージが強いと思うのですが、コロンビアの人々は非常に几帳面で、まじめで、組織だっていて・・・そう、日本人に似ていると思います。だから仕事がしやすくて、とても信頼できます。

- コロンビアのコーヒーについては、どうでしょう。

コロンビアは南北に伸びる地形で、産地によってコーヒーの性質も様々ですが、全体的に万人受けする美味しさです。飲みやすくて、ブレンドにも重宝し、色々な使い方が出来る質の良い豆が多いです。

とりわけエメラルドマウンテンは、農作物なので完全に同じものを安定供給する難しさがある中、コーヒー鑑定士の皆さんがカッピングして、一つの味わい、一定の味に作り上げるというすごいコーヒーです。国内でのブランディングも素晴らしく、お客様も安心して買い続けて下さる方が多いです。

 

 

現在のコーヒーのトレンドを見越していたかのような
珈琲問屋スタイル。この先は、どうなっていくのですか?

紅茶問屋アンジェ

▲コーヒーのことなら何でも揃うという珈琲問屋と同じコンセプトで、4月末には「紅茶問屋アンジェ」がOPENした。

- 今でこそ、消費者があらかじめブレンドされていないコーヒーを選んだり、その場で焙煎できるというのも珍しくないですが、珈琲問屋さんは30年くらい前から、今のスタイルですよね。ネット通販もかなり以前からされています。この先、日本のコーヒー文化はどうなって行くと思われますか。

どうなっていくか、ですか。ちょっとそれは難しい質問ですね(笑)

私たちに限って言えば、これから各県に2店舗(県庁所在地と第二都市)の出店で全国チェーン化を目指しています。 いくらネット通販があっても、実店舗があると安心感が違いますよね。

ネット販売と実店舗の共存は難しいと言われていますが、おかげさまで今日まで一店舗も閉めずに続けてくることが出来ました。「ネットで買っていたあのお店が、うちの街にも出来てうれしい」というような良い循環を作って行きたいです。

あとは、最近フィリピンにも珈琲問屋の出店を予定しています。日本の珈琲問屋スタイルは、海外の皆さんにも楽しんで頂けるはずなので、これからが楽しみです。

- ひと昔前は、日本人にとってコーヒーは「舶来物」というか、完全に外国のものという雰囲気でしたが、今は海外にコーヒー文化を提案する時代になったのですね。興味深いです。

(株)フレッシュロースター珈琲問屋 横浜本店

エメラルドマウンテン SHOP DATA

(株)フレッシュロースター珈琲問屋 横浜本店

住所〒240-0003
神奈川県横浜市保土ケ谷区天王町1-27-6
営業時間9:00~19:00
定休日
電話番号045-334-0203
FAX番号045-331-7776
最寄り駅相模鉄道 天王町または星川駅から徒歩 8分程度
駐車場すぐ近くにコインパーキング有り
公式サイトhttp://www.tonya.co.jp

珈琲問屋オリジナルキャニスターを5名様にプレゼント

クイズ:エメラルドマウンテンは、アンデスの清水で○○処理されています。○○に入るのは何でしょう?

1: 低温殺菌     2: カフェインレス     3: 水洗

ヒントはこちら

【賞品】珈琲問屋オリジナルキャニスター(保存缶) 直径7.5cm × 高さ 13cm 5名様
【応募方法】以下の応募フォームに、クイズの答えと必要事項をご記入の上、送信して下さい。
【応募期間】〜 2016年6月10日(木) 24時
【当選者発表】賞品の発送をもって代えさせていただきます。
【注意事項】景品の発送は日本国内に限ります。

【個人情報の取扱いについて】 お客様にご入力ただいた個人情報は、当キャンペーン当選者への賞品の発送及び発送に関するお問い合わせのための使用に限定しております。このキャンペーンにご応募をされた時点でプライバシーポリシーの内容にご同意頂けたものとします。

キャンペーンは終了しました。沢山のご応募ありがとうございました。
景品の発送は6月下旬を予定しております。お楽しみに!