2017/11/01
キャラバンコーヒー 船堀店
店長 岡田 和也さん
キャラバンコーヒーさんは昭和3年に横浜で創業され、今年でなんと89年目という歴史あるコーヒーショップです。今回は、江戸川区の船堀店さんにお邪魔しました。店長の岡田さんは、今年4月に開催の『ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ2017』のドリップ競技にて1位を獲得された、ハンドドリップの名手。さっそくお話を伺ってみます。
横浜元町が発祥のキャラバンコーヒー。
船堀店がいま、熱い理由とは?
- 今日は何かイベントがあったのでしょうか。お店の前のエントランスホールが、スーツを着た学生さんがいっぱいでしたが。
このタワーホール船堀は江戸川区が運営している施設なのですが、展示場・会議室・結婚式場・映画館などが一挙に入っていまして、それぞれの場所で何かイベントがあると、その開始時間と終了時間にどっと人の流れがあるのです。今は、そこのホールで何か学生さん向けのセミナーのようなものがあったようですよ。
- そうなのですね!そんなにいろいろなものが一緒になっているとは、面白い施設ですね。 では、こちらのカフェのお客様の様子も、その時開催されるイベントに応じてガラリと変わるわけですね。
そうなのです、本当にガラリと違います。イベントに関係なくご来店下さるのは、この周辺の割とご高齢の方が多いです。でも、8月にリニューアルしてから雰囲気が若くなったせいか、最近はもうちょっと若い年代の常連さんも増えてきたように思います。
- 今は、おしゃれな飾り棚で緩やかに空間が仕切ってあってオープンな雰囲気です。以前はどうなっていたのですか?
オープンといえば、以前はさらにオープンでした(笑)。エントランスとの仕切りはポールとロープだけでしたし、キャラバンコーヒーの看板も出していませんでした。もともとタワーホール船堀の開業時に弊社に声をかけていただいて、コーヒーラウンジというか、休憩所のような感じで入りましたので。
- なんと。キャラバンコーヒーさんのお店というよりは、タワーホール船堀の施設の一部に見えていたわけですね。キャラバンコーヒーさんといえば横浜元町店かと思ったのですが、なぜ今日は船堀店に取材が決まったか分かりました。お店がこんなに綺麗にリニューアルされて、そして岡田店長も最近ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ2017で1位になられたそうで。船堀店はホットな話題が満載ですね。
ありがとうございます。ただハンドドリップチャンピオンシップの件については、その競技は本来2セクションに分かれていて、私は片方のドリップ競技では1位でしたが、フリー競技の得点も合わせた総合では6位だったのです。まだまだだと思っています。
- ご謙遜を・・・。ハンドドリップで日本一なら、十分すごいと思います(笑)
気軽な気持ちで飛び込んだ青山店。
高級スーパーに併設のお店で直面した、力不足と悔しさ。
- 岡田店長は、競技会でタイトルを獲得されたり、今も胸にはJ.C.Q.A. コーヒーインストラクター1級のバッヂがついていますが、もともとコーヒーにお詳しかったのですか?
いえ、本当にそんなことはないです。はじめ私にとってコーヒーといえばタバコのお供という存在で、それこそ缶コーヒーかインスタントかという世界でした。この業界に入って8年位になると思いますが、そのきっかけもアルバイトでした。豆や産地などいろいろあって楽しそう!くらいの気持ちで、初めて売り場に立ったのが、青山の紀ノ国屋さんの中に入っているキャラバンコーヒーでした。
- 青山の紀ノ国屋さんといえば・・・あの高級スーパーの・・・。
本当ですよね(笑)今思えば当然の話なのですが、青山店は特にお客様の感度が高くて、もちろん要求されることのレベルが高い。「自分はお客様に応えられていない」という感覚があって、初めは辛かったです。
- どうやって今のように、コーヒーの微妙な味がわかるようになったのですか?思い返したら、これが分岐点だった、みたいな出来事はありましたか?
それが僕の場合、特に無いのです。強いて言えばコーヒーインストラクター1級に合格した頃あたりでしょうか? 味の違いがわかるようになるまでは、ひたすら飲むだけでしたね。文面で酸味がどう、苦味がどうと説明があっても、飲んでみないと。体調や、豆の状態でも味は変わりますし。
そうそう、初めてエメラルドマウンテンを豆からドリップして淹れた時の味の違いには驚きました。それまでは私にとって、エメラルドマウンテンといえば、あの缶コーヒーのことでしたので。 あとは、初心者の頃でも味の違いがわかって印象深かった豆の一つに、カサブランカ(ニカラグア)があります。今も当店で提供していますが、コーヒーで言うところの「チョコやプラムの香り」というのを、初めて自分でちゃんと感じられて、感動したのを覚えています。
ここまで来られたのは、
きちんと接客を教えてくれた先輩がいたから。
- 「コーヒーのこと全然わからなくて接客が辛い」というところから、今では8年も続いて、店長さんで、競技会タイトルもお持ちです。ここまで来られたのには、何か惹きつけるものがあったのではないですか?
そうですね、何よりコーヒー以前の段階で、私を指導してくださった先輩がいたおかげでしょうか。 私はこのお仕事につく前も接客業で、なまじ接客に自信を持っていました。でもそんな私に、ちょっとした言葉使いやお客様に声をかけるタイミング、試飲をおすすめするタイミングなど、小さいけれど大事なことをたくさん教えてくださった先輩がいました。おかげで私は元から好きだった接客がもっと好きになりました。
青山店の後に配属された国分寺丸井店は、小さなカウンターに豆の販売がメインで、お客様との距離がすごく近く、お客様とのやり取り、そして私からのご提案の中で売り上げが変わってしまうような店舗でした。そのため接客にはとてもやりがいがありましたし、そこで楽しみながら成長させていただけたなと思います。
- こちら船堀店は喫茶がメインですよね。しかもお客様は、イベントごとに様々で・・・。接客内容は結構違うのではないですか。
そうなのです。船堀店は喫茶店で、混雑する時はとにかくお待たせしない事が大切です。お客様と対話しながら豆を決めるような、国分寺丸井店とは全く求められることが違いますので、転勤したばかりの頃は自分の気持ちを切り替えるのに少し時間がかかりました。
ここはお客様にゆっくりしていただく所なので、効率やチームワークを良くして、自分から「ゆっくり」を作り出さないといけません。私はじっとしているより動いている方が好きなので、混んでくるとテンションが上がってきて、それは喫茶型のお店の楽しいところでもあります。
ただ、船堀店でも効率やスピードの中できちんと「接客の心」を表現し、お客様に感じていただけるようにしたいと思っています。例えば私はひと言でもいいので、決まった言葉ではなくお客様の状況に応じた言葉をかけるようにしています。
- お客様への愛を感じます! 本当に接客がお好きなようですが、初めに接客を教えてくれた先輩の存在は、やはり大きかったですね。
普段働いていて、創業89年の歴史を感じることはありますか。
- 青山店時代のお話しも素敵でしたが、今も、このインタビューに同席されていた本社のマネージャーさんが「ちょっと混んできたかな」と、サッとスーツを着替えてお店に出て行かれました。私は創業89年というところで勝手に、堅い感じの企業かなと思っていたのですが、上司・部下の関係がとても素敵で、風通しも良さそうに見えます。岡田さんは、キャラバンコーヒーにいて「老舗だな」と実感することは何かありますか?
そうですか?ありがとうございます。老舗を感じたことは・・・、そうですね、都内に私が生まれるより前にできた、有名な老舗の喫茶店があるのですが、そこにキャラバンコーヒーの保存缶がズラーっと並んでいるのを見たときでしょうか。他にも、明治創業の一流ホテルで今でもキャラバンコーヒーが提供されていたり。また、これは焙煎担当の方に教えていただいたのですが、横浜にある弊社の工場の焙煎機は、30〜40年同じ釜を使っているのだそうです。コーヒー豆の持っている油分が長年かけて釜に馴染んでいるから、焼いたときのスモーキーなテイストが出せるらしくて。歴史がないと出せないコーヒーの味って、なんだかいいですよね。
- すごいですね、時間が培ったものというのは、誰にも真似ができないですね。
単品でのご注文が多いのがエメラルドマウンテン。
コーヒーそのものの味を楽しんで
- 岡田さんから見て、エメラルドマウンテンはどんなコーヒーですか?
缶コーヒーしか知らなかった私にとっては、ドリップしたものを飲んだときの、驚いた印象が忘れられません。とてもマイルドで飲みやすく、クセがなく、甘い香りで・・・。考えてみると、エメラルドマウンテンは、単品でご注文される方が多いように思います。
- 合わせて食べたいスイーツのおすすめを、お伺いしようと思っていたところでしたが(笑)
私も言いながら気づきました(笑)。ケーキなどと合わせて、というより、コーヒーそのものを味わいに来てくださる方が多いのがエメラルドマウンテンの特徴かもしれません。
- ちなみにお店では、タイミングが合えば、岡田店長がドリップされたコーヒーがいただけるのですか?
もちろんです、エメラルドマウンテンのような「マンスリーコーヒー」は、ご注文をいただいてからハンドドリップしています。
- 日本一のハンドドリップが、お店で味わえるのですか。それはいいですね。最後に、今岡田さんがコーヒーのプロとして、はまっているコーヒーなどはありますか?
うーん・・・。強いて言うならば、最近はケニアのシャープなキレと酸味のある豆が美味しかったですかね。でも実は私、今でも缶コーヒーやインスタントコーヒーを美味しくいただいています。家に帰れば、家族が買ってきたコーヒーを飲んでいたり。コーヒーのプロと言っていただけて嬉しいですが、私にとってコーヒーは今でも生活の一部で、気軽に飲めるのが一番いいと思っています。
- 実は私、コーヒーの味の違いがそこまでわからない「普通程度のコーヒー好き」でして、そうおっしゃっていただけると、少し気が楽になります。それにしてもこの連載でたくさんのコーヒー業界の皆様にお話を伺ってきましたが、コーヒーというひとつの軸に対して、それぞれの方が、それぞれの情熱と切り口を持って関わっていらっしゃることが大変面白いです。岡田さんにとってのコーヒーは、まずお客様ありきのもののように思えました。
今日は、ありがとうございました。
キャラバンコーヒー 船堀店
住所 | 東京都江戸川区船堀4-1-1 タワーホール船堀 1F |
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営業時間 | 9:00〜20:30 |
定休日 | 施設定休日と同じ |
電話番号 | 03-5605-8559 |
FAX番号 | |
最寄り駅 | 都営地下鉄 新宿線 船堀駅 徒歩1分 |
駐車場 | 近隣のパーキングをご利用ください。(タワーホール船堀の駐車場あり。最初の1時間200円以後1時間毎に100円) |
公式サイト | http://www.caravan-coffee.jp/corporate.html オンラインショップはこちら |
【賞品】キャラバンコーヒー保存缶 (内容量 100g / 直径 7.5cm / 高さ 13.8cm)と、キャラバンコーヒー全店で使える、コーヒー豆の20%割引券(有効期限〜2018年2月末まで有効)のセットを5名様に
【応募方法】以下の応募フォームに、クイズの答えと必要事項をご記入の上、送信して下さい。
【応募期間】〜 2017年11月30日(木) 24時
【当選者発表】賞品の発送をもって代えさせていただきます。
【注意事項】景品の発送は日本国内に限ります。キャラバンコーヒーのお店は、東京都・神奈川県・長野県に19店舗ございます。お近くの店舗はこちらでご確認いただけます。なお、プレゼントの抽選はご記入いただいたご住所に関係なく行います。
【個人情報の取扱いについて】 お客様にご入力ただいた個人情報は、当キャンペーン当選者への賞品の発送及び発送に関するお問い合わせのための使用に限定しております。このキャンペーンにご応募をされた時点でプライバシーポリシーの内容にご同意頂けたものとします。
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