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コーヒーモルティブ下北沢 老川さん

20140801

コーヒーモルティブ下北沢

店長 老川さん

東京都世田谷区にあるコーヒーモルティブ下北沢さんをご訪問。南口商店街のメインストリートを、下北沢駅からほんの2分ほど歩くと、賑やかなビルの看板に隠れるかのように焙煎機の煙突が見えてきます。
毎日新聞紙上で連載されていた吉本ばななさんの小説にも登場するモルティブ下北沢さんは、地元で30年目の有名店。さっそくお話を伺ってみましょう。

お店の雰囲気は、気取らなくて個性的な街
下北沢そのもの。

▲お店が密集し、いつも賑やかな南口商店街。ミスタードーナツさんの斜め左側がモルティブさん。入り口が斜めを向いているので、通り過ぎてしまわないようご注意を。

▲お店が密集し、いつも賑やかな南口商店街。ミスタードーナツさんの斜め左側がモルティブさん。入り口が斜めを向いているので、通り過ぎてしまわないようご注意を。

- 下北沢はいつも活気があって面白い街ですよね。
こちらは、老川さんが開いたお店ですか?

いえ、私はここが出来て5年目くらいの時に入りました。 お店自体は1984年にオープンしたので、もう30年目です。

- 30年は長いですね。私も学生の頃下北沢をうろうろしていたのですが、だいぶお店や町並みが変わりましたね。

そうですね、世代交代というか、代変わりもあるのでどんどん町並みが変わります。でも東京の都会ではあるけれど、気取りが無くて親しみやすく、外の人に対してすごくフレンドリーなところは変わらないです。私も初めて東京に出てきた時「シモキタは田舎者にも優しいな」と思って気に入り、住み着いた者の一人です。

▲個性豊かなテイクアウト用コーヒー。写真は、オールシーズン大人気のカフェオレ ゼリー。無糖のダッチコーヒーゼリーにミルクを注いだもの。シロップで甘くすると格別。

▲個性豊かなテイクアウト用コーヒー。写真は、オールシーズン大人気のカフェオレゼリー。

- 下北沢というと、劇場やライブハウスの街というイメージですが、お客様はどのような方がいらっしゃるのですか?

この辺は会社もいっぱいあり、住んでいる人も多く、休みの日には遊びに来られる若い人が増えます。年齢も職業も、お客様の層は実に様々ですね。 コーヒー豆はもちろんの事テイクアウトのコーヒーも人気で、休日の午後には混み合います。

特に、コーヒーをゼリーにした「カフェオレゼリー」や、ミルクの中で凍らせたダッチコーヒーが徐々に溶けてくる「カフェオレ・キューブ」が珍しいのかもしれません。始めは夏季限定のつもりだったのですが、反響が多くて断りきれず、今では冬も販売しているほどです。

- なるほど、何度もお断りするのはなかなか辛い事ですよね(笑)。
通常のコーヒーの他にオリジナルのメニューがあり、さらにシロップや生クリームのオプションも加えると、組み合わせのパターンはかなり多いのではないでしょうか。

通販サイトのレビューでは絶賛の声!
専門店の誇りをかけた究極のダッチコーヒーとは。

▲テイクアウト用のコーヒーは、水で抽出したダッチコーヒー。とても手間がかかる方法だが、一度飲めば味の違いに驚くという。

▲テイクアウト用のコーヒーは、水で抽出したダッチコーヒー。とても手間がかかる方法だが、一度飲めば味の違いに驚くという。

- テイクアウトのコーヒーは、すべてダッチコーヒーと書いてありますね。

はい。お湯を使わず「水」を使用して抽出したコーヒーです。当店では昔から水出しをやっていたのですが、当時は本当に珍しいものでした。 普通皆さん、お湯で抽出されると思いますが、実はコーヒーって熱に弱いんです。 水で抽出するとコーヒー豆本来の味が生きて、雑味は無く、ボディはしっかりしているのに後味はすっきります。 コーヒー豆を大量に使用し、出来上がるのに1日掛かってしまいますので、ダッチの製造は珈琲店にとってかなり割に合わない仕事です。しかしこの美味しさは水出しでしか表現出来ないですし、味わっていただく価値があると思います。 とにかく最終的には豆の質で味が決まりますので、コーヒー屋としては勝負しどころですね。

▲ボトルに詰めたダッチコーヒーを、通販サイトでも販売中。そのレビューは星5満点中4.83の高得点。

▲ボトルに詰めたダッチコーヒーを、通販サイトでも販売中。そのレビューは常に高得点。

- 色々知らない事が多くて、びっくりしました。 水出しだけということは、冬もアイスコーヒーしか無いのですか?

案外知られていないのですが、水出しコーヒーは、抽出後に手鍋で温めればホットでもいけます。苦みが強く、しっかりした味わいになるので濃さを調節してから提供します。

- そうなのですね、勉強になります。こちらは、モルティブさんの通販サイトでも購入できるのですね。商品レビューのコメントでは、皆さん絶賛されていますね!

ありがとうございます。完全な手づくりですので、生産量に限界もあるのですが、違いを感じられる美味しいコーヒーです。濃い味わいなので、ミルクと合わせてカフェオレにしても最高です。

▲コンパクトな空間に世界中のコーヒー豆がズラリ!焙煎店初心者でも入りやすいカジュアルな雰囲気。写真右は焙煎機。夏でも200度でぐるぐる・・・。香りは最高なのですが、カウンターの中はとても暑いのだとか。

▲コンパクトな空間に世界中のコーヒー豆がズラリ!焙煎店初心者でも入りやすいカジュアルな雰囲気。写真右は焙煎機。夏でも200度でぐるぐる・・・。香りは最高なのですが、カウンターの中はとても暑いのだとか。

生活の一部になって、毎日「あたりまえに美味しい」
これが最高の贅沢だと思います。

- 老川さんは、いつコーヒーと出会ったのですか?

小学生の頃ですね。当時、今とは全く違う雰囲気の喫茶店やコーヒー店が流行っていて、うちの近所にもそういったお店がたくさんありました。どこからか漂ってくるいい香りが気になって・・・。

家族はみんな紅茶派の家だったのですが、親に頼んで喫茶店へ連れて行ってもらうのが好きでした。タバコとコーヒーと、カレーの香りが混ざった独特の空間に、サイフォンのような見た目に楽しい器具がいっぱいあって。わくわくしました。

▲コーヒー器具は充実の品揃え。こだわり派のニーズにはとことん答えつつ、老川店長は時間のある人だけどうぞ、と決して押し付けないお人柄。

▲コーヒー器具は充実の品揃え。こだわり派のニーズにはとことん答えつつ、老川店長は決してこの方法、と押し付けないお人柄。

- タバコとコーヒーとカレーの混ざった香り!そうそう、昭和の喫茶店には、必ずカレーがありましたよね。サイフォンにわくわくするのも、とても共感できます。モルティブさんにコーヒーの抽出器具が充実しているのも、何かそれと関係がありますか?

所詮道具・・・といってしまえばそれまでなのですが、抽出する楽しみってありますよね。自分なりのやり方にこだわると、器具が色々必要になって来るわけです。とはいえコーヒーの味は、とにかく豆で決まります。こだわり始めるとキリがないので、初めからいきなり揃えない方がいいと思います(笑)

- 先ほどもおっしゃっていましたね、最後は豆の味だと。

そうです、最終的には豆ですね。最近はコーヒーを難しく考える風潮もありますが、当店はもっと「生活の一部」みたいになりたいと思っています。よそ行きの高価な豆もいいですが、そこそこの金額で毎日飲むコーヒーが「当たり前に美味しい」。これがなにより贅沢で、幸せだと思います。 コーヒーは、1週間もしたら酸化して風味が落ちてしまいます。普段こちらの豆を買って下さっているお客様が「毎日美味しいって事すら考えないで飲んでいたけど、久しぶりにちょっと違うのを買ってみたら全然違った!」なんておっしゃって下さいました。美味しいと考えるのを忘れちゃうくらいで良いんです。とにかく良い豆を最高の状態でお客様へお届けする、これが本質だと思います。

甘みと香り、やっぱり格が違う。
常にハイグレードなエメラルドマウンテン。

shop10_photo07- エメラルドマウンテンは、どんな豆ですか?

甘みがしっかりしていて、花のような香りがあって雑味が無い。この豆は常にハイグレードな品質を保っていて、やっぱりちょっと格が違いますよね。 当店では他のコロンビア産豆も扱っていますが、それより価格が高くても、十分納得できる味わいを持っています。 豆の芯にしっかりと熱を通し、浅すぎず深すぎず、甘みと香りを十分に引き出す焙煎を心がけています。

- いつも皆さんに伺っているのですが、エメラルドマウンテンと合わせたいスイーツはありますか?

このコーヒーは他のものと合わせず、是非それだけで楽しんでみてほしいです。これが私のお勧めです。

-それは最高の褒め言葉ですね!ありがとうございます!

コーヒーモルティブ下北沢

エメラルドマウンテン SHOP DATA

コーヒーモルティブ下北沢

住所〒155-0031
東京都世田谷区北沢2-14-7 セントラルビル1F
営業時間10:00〜21:00
定休日年中無休
電話番号03-3410-6588
FAX番号03-3422-9805
最寄り駅小田急線・京王井の頭線 下北沢駅 徒歩2分
駐車場無し
公式サイトhttp://www.rakuten.co.jp/maldive/