20140707
世界の珈琲 日本のやきもの 大和屋 高崎本店
常務取締役 平湯さん
今月は、群馬県高崎市にある大和屋 高崎本店さんをご訪問しました。高崎市は新幹線や高速道路の分岐点となっていて、昔から交通の要所です。そのためかお店の駐車場は常に人が出入りし、賑わっている様子です。
これまでのショップ探訪はすべて店長さんが登場して下さいましたが、今回は大和屋さんの常務取締役、平湯さんがインタビューに応じて下さいます。さっそくお話を伺ってみます。
日本人のための、日本人らしい珈琲文化を。
漢字で書く「珈琲」にこだわっています。
- とてもレトロで素敵な雰囲気の建物ですね。ここは元々何だったのですか?
元からあった建物を改装したように見えますか?でもこちらは古い物や骨董品が大好きな社長が、一から建てたものです。
- てっきり昔からある古民家かと!そう思い込んでしまうほど雰囲気が統一されていますね。
社長は長崎出身で、その後横浜、小樽など各地を転々として、港町の文化になじみがありました。とりわけ小樽の、レトロでノスタルジックな雰囲気に魅了されて、それがイメージにあります。

▲店舗総床面積330坪にもなる広々とした店内。日本酒のようなパッケージのアイスコーヒーや、山の雪解けをイメージしたコーヒーゼリー等、個性的で贈り物にしたくなるような商品が並ぶ。
- なるほど。お店だけではなく、商品とパッケージもすべてレトロな和の雰囲気で統一されていて、デザインがとても素敵ですよね。
ありがとうございます。大和屋はもともと、大手のコーヒー会社に勤めていた社長が会社を辞めて創業し、7坪ほどの小さな店舗兼住宅のようなところから夫婦でスタートしたお店です。34年前の当時は、一般の方が家でコーヒーを飲むといった習慣がなく、コーヒー文化そのものが根付いていなかったのですね。
そこで社長は「日本の風土に合った、日本人の味覚に合った珈琲をつくりたい」ということで大和屋を始めました。端的に言えば、カタカナで書く「コーヒー」ではなく、漢字で書く「珈琲」にこだわっています。「和の珈琲文化」をつくるのが大和屋の経営哲学です。そのため、珈琲の味の作り方、ディスプレイ方法、商品構成、パッケージデザインなどの基本にあるのは、いつもそこなのです。
- 日本人のための「珈琲文化」ということですね!
はい。同じ理由で、珈琲は群馬県産の木炭で焙煎しています。例えば日本人なら誰でも、秋刀魚を焼いたり焼き肉をする時、ガスではなく炭で焼いた方が美味しく感じますよね?
「日本人は伝統的・文化的に炭で焼く志向性が高いので、珈琲も炭で焼いた方が日本人の味覚に合っている」というのが私たちの考えです。
美味しい珈琲をお気に入りのカップでゆっくり味わう。
その「時間」もまた珈琲の愉しみ。

▲全国有数の窯元の焼き物が1万点ある「陶芸館」には、全国から焼き物ファンが集まる。
- 通り沿いの看板に「世界の珈琲・日本のやきもの」と並んで書かれているのですが、やきものにこだわるのもその「和の珈琲文化」からですか?
珈琲豆を買って帰るというだけではなく、ご自宅でゆっくりドリップして、お気に入りのカップで飲むという「時間」も、珈琲の別の側面だと思います。珈琲の味だけではなく、その愉しみ方を提案したいという思いですね。
でも一番のきっかけは、7坪の小さなお店の時代に社長の趣味で、骨とう品やアンティーク小物等もお店に置いたことでした。はじめはカップやお茶碗だけだったのが、お客様の要望から様々なやきものを置くようになりまして。今では北海道から沖縄まで常時1万点以上並べてあり、それだけ取り揃えているのは全国でも例が無いのではないでしょうか。
大和屋=焼き物と思っておられるお客様もいらっしゃいます。それもありがたい事です。
- そうですね(笑) 今はやきものの大和屋さんでもあるわけですね。ところで店内の試飲用のカップも、やきものですよね。洗うのが大変そうですが・・・。
いえいえ、大丈夫です。やっぱり、カップも使ってみて分かる良さがありますので。大和屋では試飲の際も、椅子にかけてゆっくりと珈琲を味わっていただいています。
- 今、急いでるから味見だけ、というお客様はいらっしゃらないのですか?
お客様は、むしろそのゆっくりした時間を楽しみに足を運んで下さる方がほとんどです。あとはこれだけ焼き物がそろっていますので、遠方からわざわざ見に来られる方も多く、いずれにしても急いで味見!という事はあまり無いように思います。
- そうでした!駅前やオフィス街のお店とは、お客様が求めるものが異なるのですね。

▲中米エルサルバドルの国際品評会(カップオブエクセレンス)にて現地の方と
コーヒーの魅力に目覚め、 ブラジル・グアテマラで修行
- 平湯さんとコーヒーの出会いについて教えて下さい。
コーヒーが好きになったのは、大学生になってからです。紙パックのコーヒー牛乳が好きで、コーヒーのことは何も知らない学生でしたが、東京の喫茶店で恰好をつけて「グアテマラ」を注文してみたところ、コーヒーの美味しさに目覚めました。大学を卒業した後、ブラジルとグアテマラのコーヒー農園へ2年ほど現地修行に行き、コーヒーを育てたり収穫したりして、本当に勉強になりました。
- 現地修行へ行かれたのですか?それはすごいですね。
大和屋さんの「契約農園の珈琲」と書いてある商品の農園ですか?
そうですね、現在はハワイなど契約農園も増えましたが、修業時代にお世話になった農園のみなさんとは、長いお付き合いをさせていただいています。
天候などの関係で契約農園の収穫分だけでは量がまかないきれない年もあったりして、自然相手で難しいところですが、やはり作る側も、飲んで下さる方が分かっていると非常に情熱をもって取り組んでくれます。
- コロンビアの、エメラルドマウンテンについては・・・どうでしょうか。

▲大和屋ロングセラーの人気商品 カフェチョコ。コーヒーのミルク、お砂糖代わりとしても。
もちろん、素晴らしい豆です。大和屋でもかれこれ10年以上はエメラルドマウンテンを取り扱ってきています。 繊細な風味特性を生かすために、ご注文を受けてから小ロットで、かつ通常のコロンビア豆より焙煎度合いを少し低くしています。
- もう10年以上ですか?本当にありがとうございます。 ところで平湯さんおすすめの、エメラルドマウンテンに合わせたいお菓子をご紹介いただけますか?
それはやっぱり、大和屋の「カフェチョコ」でしょうか。 カフェチョコには、大和屋の珈琲をパウダー状にしてチョコレートに練り込んであります。珈琲との相性を考えて作った人気商品で、カフェチョコがあれば、ミルク無しのストレートで珈琲を楽しめるというお客様も多数いらっしゃるほどです。
- これは興味深いチョコレートですね!最後に、平湯さんの大和屋への思いをお聞かせいただけますか?
大和屋の「木炭焙煎珈琲」は、コストも手間もかかる方法ですが、「大和屋の珈琲は美味しいね」といったお言葉をお客様から頂くのが一番の励みになります。 そこに至るまでに、生産者の方が手間暇かけて収穫したコーヒーを、仕入れ、焙煎し、品質を管理し、包装してようやく販売・・・と、非常に多くの人たちの手を経て実際にお店に並ぶわけです。 そのためにスタッフ同士でも「おかげさま」の気持ちを忘れず、それぞれの場所で常にお客様の事を考え、創意工夫を忘れないでいられる、そんな大和屋でいたいと思っています。
- 高崎市のお隣の富岡市にある「富岡製糸場」も世界遺産になりましたし、ますます期待できますね!
ええ、もともと新幹線や高速道路の分岐点で、東京・新潟・長野・栃木どこへ行くにも便利な立地なのです。富岡製糸場までは車で40分ほどです。ご旅行のついでにぜひ、お立ち寄りいただければと思います。

大和屋 高崎本店
住所 | 〒370-0075 群馬県高崎市筑縄町66-22 |
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営業時間 | 9:30〜19:00 |
定休日 | 年中無休 |
電話番号 | 027-362-5911 |
FAX番号 | 027-362-7034 |
最寄り駅 | JR信越線 北高崎駅 徒歩20分 |
駐車場 | あり(120台) |
公式サイト | http://www.yamato-ya.jp/ (オンラインショップ) |
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