東京都小金井市 K.H
【エメマン賞】
朝、起きると、僕はまずお湯を沸かす。もちろんコーヒーを淹れるためだ。ヤカンをコンロに乗せると、家中の窓を開ける。ベランダの大きな窓も豪快に開け放つ。朝の澄んだ風が身体中に降り注ぐ。ヤカンが笛を鳴らすと、ゆっくりじっくりとドリップから滴り落ちるコーヒーを眺めるのが好きだ。マグカップを手にベランダに出る。左手にマグカップ、右手に如雨露で幸福の木に水をあげる。そして自分にコーヒーをあげるのだ。幸福の木が雫を光らせている。僕の身体にもコーヒーが心地よく沁みていく。あ〜幸せ……。そうして僕の一日は始まる。