東京都小金井市 K.H
【エメマン賞】
朝、起きると、僕はまずお湯を沸かす。もちろんコーヒーを淹れるためだ。ヤカンをコンロに乗せると、家中の窓を開ける。ベランダの大きな窓も豪快に開け放つ。朝の澄んだ風が身体中に降り注ぐ。ヤカンが笛を鳴らすと、ゆっくりじっくりとドリップから滴り落ちるコーヒーを眺めるのが好きだ。マグカップを手にベランダに出る。左手にマグカップ、右手に如雨露で幸福の木に水をあげる。そして自分にコーヒーをあげるのだ。幸福の木が雫を光らせている。僕の身体にもコーヒーが心地よく沁みていく。あ〜幸せ……。そうして僕の一日は始まる。


8月のテーマ「朝、コーヒーを飲みながらあなたがすることは?」に多数のご応募をいただきありがとうございました。朝食をとりながらというより、起きたらまずコーヒー派が圧倒的多数。皆さん、カップを片手に実にさまざまのことをしていらっしゃいます。何もしないで只コーヒーが落ちるのを見ている、朝日や周囲の山々を眺めている、という方々にも納得。まだ目覚めていない頭に少しずつコーヒーが沁みわたり、脳が活性化していくのを感じる朝のセレモニーです。いずれにしても日本全国の朝の風景にコーヒーの香りが漂い、一日の元気の素として活躍している様子に感動しました。重ねてお礼を申し上げます。






