近年では、コンテスト受賞コーヒーやマイクロロットと呼ばれる産地限定で希少性の高いコーヒー豆がトレンドとなっています。しかしそれらのコーヒーは常に同じ味のコーヒーを提供することが難しいという一面も。 エメラルドマウンテンは30年間、変わらず高品質な美味しさを日本の皆様へお届けしてきました。「お店に行けばいつもの味が手に入る。」この安心感が、私たちの誇りです。
FNCの支援と働きかけにより、コロンビアは初めて大阪で開催された万国博覧会に参加しました。万博の期間中にFNC は初めてエメラルドマウンテンコーヒーを日本で紹介しました。エメラルドマウンテンはコロンビアコーヒーの宝石とも呼ばれる希少な豆で、日本市場に向けてのみ輸出される特別なコーヒーです。
大阪万博で得られた人気に伴い、10月10日、FNCはエメラルドマウンテンを「日本市場でのコロンビアコーヒーの顔」たるコーヒーのプロファイル(認定規格)として正式に決定。さらに、エメラルドマウンテンという名称を日本で商標登録しました。
*写真はコロンビアの山々、肥沃な火山性の土、熱帯の眩しい陽を避けて木陰で育つコーヒーの木々などを抽象的に表した、当時のエメラルドマウンテンのロゴです。この年の7月17日、FNCは三菱商事(株)の協力を得て、正式に日本の高級コーヒー市場にプレミアムエメラルドマウンテンコーヒー(Premium Emerald Mountain® coffee)を発売しました。 消費者向け最終商品は当初、美家古食品株式会社(現キャピタル株式会社)からお中元やお歳暮などの贈物となるようにデパートで発売され、その後全国の多くの焙煎業者やコーヒーショップ(コーヒー豆を販売している)が取り扱いを始めました。
※2020年、エメラルド30周年時におけるコメントです。肩書などは当時のものです。
「エメラルドマウンテン」という名前は、コロンビアが世界一の産出量を誇る、宝石のエメラルドにちなんでいます。このコーヒー銘柄は、味に敏感な日本のマーケットに向けて特別に開発されました。
コロンビアのコーヒーは、各産地それぞれに特徴があって素晴らしいです。また、最近では世界の品評会で優勝する家族農園なども多く、コロンビアコーヒー全体の品質向上には目を見張るものがあります。ただ、日本でのエメラルドマウンテンの存在はまた別格だと感じます。小さな焙煎店や喫茶店でも、ほとんどの場合高級なコーヒーのラインナップとしてエメラルドマウンテンを置いてくださっているのを見かけます。
30年前にエメラルドマウンテンという規格で定義された美味しさとは、トレンドや時代に左右されることのない普遍的なものなのだな、と改めて思います。
FNCコロンビアコーヒー生産者連合会 総裁
ロベルト・ベレス
「エメラルドマウンテンというコーヒー銘柄は、高品質なコロンビアのコーヒーを代表する最高級のブランドとして日本市場へ紹介されました。例えば、お歳暮などのギフト用として認知されることが、最初の狙いでした。そしてこのプロジェクトの遂行のためには、(30年前当時)三菱商事の野呂さんをはじめとする日本企業の皆様のご協力が不可欠でした。
最高品質のエメラルドマウンテン豆は、コロンビアが世界でも大変優れたコーヒー生産国であることを日本の皆様に知っていただくのに大変重要な役割を果たしました。また、このコーヒーは売り上げへの貢献のみならず、日本とコロンビアの間の架け橋となり、日本のコーヒー業界の各社の皆様がエメラルドマウンテンの存在を引き上げ、支えてくださいました。
また、エメラルドマウンテンは、プロジェクトに参加したコロンビアのコーヒー生産者に対しても、特別な利益をもたらしてくれました。私たちは、生産者のためにももっとエメラルドマウンテンを作り出せるようにしなくてはなりません。エメラルドマウンテン発売30年にあたり、54万人以上のコロンビアコーヒー生産者に代わって、30年という長い道のりを共にしてくださったコーヒー企業、そしてお客様に感謝を申し上げます。
エメラルドマウンテンの日本上陸時をよく知る
(元)三菱商事株式会社 野呂 剛 氏
エメラルドマウンテンを初めて日本で発売しようとした時、それは当時の一般的なコーヒーと比べると、価格が高すぎるということで、なかなか多くのコーヒー焙煎業者さんにご興味を持っていただけませんでした。
そのようななか、最初にこのプレミアムコーヒーを受け入れてくださったのは、キャピタルコーヒーの栗田氏でした。当時の百貨店を代表する存在だった高島屋や伊勢丹などの店舗で販売していただき、これがエメラルドマウンテンにとって大きな広告となりました。そののち、関西エリアでご活躍のHAMAYAさんでもエメラルドマウンテンの取り扱いを始めていただき、徐々にこのコーヒーは多くのコーヒー会社様に受け入れていただけるようになりました。
そこへ至るまでにはなかなか大変でしたが、わずか3%未満のコロンビアコーヒーだけが、エメラルドマウンテンの称号を得ることができます。また、このコーヒーは日本でだけ発売され、定温コンテナで輸送されます。このように輸入されているコーヒーは他にありません。エメラルドマウンテンは、まさに最高級のコーヒーなのです。
しかしそれはそれとして、消費者に選ばれなければ意味がありません。数ヶ月前に、世界的に成功しているコーヒーチェーンが東京に新しいプレミアムコーヒーがコンセプトのお店を出店しました。すでに大変な人気のあるコーヒーチェーンにも関わらず、常に新しいビジネスを構築し、進化し続けようというその姿勢は、私たちにとってもよいお手本となります。コーヒー業界の特に若い皆様の力で、日本市場にまだたくさんいらっしゃるはずのエメラルドマウンテンの潜在的なお客様に対し、新しいエメラルドマウンテン像を常にアップデートし続けていかなければなりません。
キャピタル株式会社 代表取締役社長
栗田鏡子 氏
思い返せば30年前の春、当時のFNC極東局長グティエレス氏と三菱商事のコーヒーチームリーダーの野呂さんが弊社へお見えになられました。
日本のコーヒーマーケットを調査して、高級品を扱うデパートで家庭用レギュラーコーヒーやギフトから案内していくのが良いが、このデパートで大変長く、まじめにコーヒーを販売し続けているのは美家古食品(キャピタル株式会社の旧社名)であるとのことで、弊社から発売してほしい、というご依頼を受けました。
そして平成元年8月にこの素晴らしいコーヒーは、デパートの売り場や弊社全店舗から新発売させていただきました。当初1年間、弊社が独占販売させていだたきました。
店舗では工夫を凝らしたフェアーを開催、デパートのギフト売り場でも大々的に展開し、コーヒー教室やゴルフコンペ、TV番組からの取材など、本当にエメラルドマウンテンコーヒーにまつわる素敵な出来事や出会い、思い出が沢山あります。
とりわけ大変素晴らしいのは、このエメラルドマウンテン・コーヒーへのお客様のお声で、本当に美味しい、程よい柑橘系の酸味と甘みがあってコクもありながらスッキリした素晴らしいコーヒーである、という賞賛のお声ばかりで、味に対するクレームが一度もない、ということです。
このように本当に素晴らしい上質なコーヒーを、長年に亘って販売展開させていただいてきたことで、コロンビアの方々を始め、沢山の方々との繋がりやご縁もいただけました。これからも更に35周年、40周年、と末永く、販売させていただく所存です。
株式会社MCアグリアライアンス 代表取締役社長
磯貝 進 氏
日本で知られている多くのスペシャルティコーヒーの中で、エメラルドマウンテンが30年以上も人々の心を惹きつけているのはなぜでしょうか。
それは、これまでにエメラルドマウンテンに携わってきた幾多の人々の努力によって築かれてきた、コロンビアと日本の信頼関係をもとにした緊密な結びつきの賜物であると考えます。この30年の歴史の間に、このプロジェクトに関わった誰一人が欠けても現在の結果にはならなかったでしょう。
私は、社長を務めるMCアグリアライアンスが、エメラルドマウンテンを取り扱っていることを大変光栄に思います。今後も、この最高級品のコーヒーにふさわしい手法で、エメラルドマウンテンを広くたくさんの方に味わっていただけるように、販売して参ります。